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当事者研究とは
「当事者研究の世界」
北海道医療大学/浦河べてるの家
向谷地 生良
「人間が全て悩めるものとしてあるなら、そして病がその現れとするならば、社会の中で自己の悩みを解決してゆくのが自然ではないか。そのために、病者を含めた社会が互いの信頼の輪を作る以外に方法はないのではないか」(バザーリア)
当事者研究は、「苦悩の最大化」(バザーリア)としての「こころの病」という経験の中に、人と社会の現状と歩み、そして未来が写し鏡のように現わされていると考えます。そのことによって、「こころの病」は、単なる「治す」「解決する」対象から、興味深い「学ぶ」「活かす」べき経験として扱われることを意味します。このたびは、他害行為が止まらない現実に苦悩する当事者と、その現実に向き合い、なす術を失っていた支援者が「一緒に研究しよう」という「ともに無力であること」の共有からはじまった当事者研究の可能性について研究事例を交えて紹介します。
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